ライスは柴犬のような気の強い女の子、ネオはゴールデンレトリーバーらしい人なつっこい男の子、
見た目も性格もまったく正反対だけど、甘えん坊で寂しがりやなふたりは、私たちにとって、とっても、とっても大切な家族です。
もう疲れたぁ〜 いつかは犬と一緒に暮らしたいと思い、今から○年前、ここに引っ越してきました。
何度もペットショップに足を運ぶこと4ヵ月、
やっと見つけ出した柴犬MIXを我が家に迎え「ライス」と名づけました。

今まで犬を飼ったことがなかったので、てんてこ舞いの毎日を過ごすことになりましたが、
かわいくて、かわいくて仕方がなく、
教育ママのように、あれもこれもと本に書いてあるように躾ようと思っても、
『こんなもんでいいよね〜』『もう少し大っきくなってからにしよっかっ♪』とか、
中途半端になってしまい、
教育ママどころか、親バカになっていくのを実感しました。
しかし、それなりに覚えてくれたことに「もしかして、天才犬なのかしらっ!」な〜んてね。
やっぱり親バカでした。

「お散歩」という言葉に反応し、はりきって準備をしても、
大雨の時は玄関から出るのも嫌がり、暑い日は日陰を求め、
疲れてくるとどこにでも座り込み、
用が済むとダラダラとついてくるだけ・・・。

怒られると鼻にしわを寄せ、牙をむき出して逆切れし、
挙句の果てにはオ○ッコをもらす・・・。
まさしくダメ犬の見本のように、すくすくと育ってくれました。
警戒心が強く、決して知らない人にはなつきません。
もちろん他の犬とも仲良くは出来ません。
喜怒哀楽が激しく、からだ全体で表現をする姿は、たまらなく愛しく、時には憎らしく思うこともあります。


最初は、ゴールデンが欲しかったのと、
偶然にもライスと誕生日が同じ 『ネオ』 を見たとき、
何気なく惹かれていったのを今でも覚えています。

ライスの時は仕事に出てたため、ネオとは一日中一緒に過ごしました。
甘やかして育ててしまった経験をもとに、
今度は厳しく、少しずつゆっくりやってみようと思ったものの、
あのつぶらな目で見られると、ついつい
『また今度にしよ〜ね』『よし、よし、も〜やめよっかっ♪』などと言っては断念し、
ふわふわな体を抱きしめてしまう自分の弱さに、正直驚きました。

少しでも怒られると、しっぽを垂らし耳を絞りながらやってきて、
ベッタリとそばに寄り添い、いつの間にか眠ってしまいます。

極度の寂しがり屋と、臆病で怖がりな性格なので、
誰かがが動くたび 「ムクッ」と起きてはついてまわり、
少しでも外に出ると、部屋の扉をこじ開けては 「ヒーヒー」言いながら探し、
カミナリ、台風、花火の音がすると、外など見ることが出来ず、ガタガタと震えています。
そんな時ライスはと言うと、
激しく降りつける雨や、暗い空を走るイナズマを、窓ガラス越しに楽しそうに眺めています。
どこに行っちゃったの〜?
感情的にならず、何をしても怒りません。
怒られることを嫌い、愛され方を知っているかのようにやさしい表情は、とても愛らしく、
素直なかわいらしさには、いつも心を癒されます。


二度と来ない、この瞬間 決して仲の良いふたりではありません。
ネオがちょっかいを出すと、ライスは真剣に反撃しているように見え、
時には手のつけられないようなケンかをすることもあります。

一度だけネオがライスに寄り添って寝ようとしたことがありましが、
ライスが完全に拒否をしたため、
それ以降は、いつも微妙な距離をおいているふたりです。

ライスはきっと、ひとりの方がよかったのかもしれませが、
ネオはお姉ちゃんがとっても大好きのようです。

ネオがきた時、一時的にライスが笑わなくなったことを思うと、
少しだけ後悔したこともありましたが、
ひとりになる時間が少なくなり、
なにより遊べる相手が出来たことで、よかったのだと思いたいです。
いずれ、この大切な家族を失う時が必ずやって来ます。
その時、後悔して涙を流さないよう精一杯愛し、ふたりとも幸せな時間が送れたと笑ってくれることを願っています。